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野島 健大; 藤田 博喜; 永岡 美佳; 大澤 崇人; 横山 裕也; 小野 洋伸*
KEK Proceedings 2015-4, p.111 - 115, 2015/11
Sr分析を放射性ストロンチウム分析法(文部科学省、放射能測定法シリーズ2)に従って、環境レベルのSr濃度を自動で分析するシステムを開発したので、その成果を報告する。本研究では、この分析における湿式灰化、化学分離、イオン交換に係るそれぞれの工程を、ロボットや自動加熱装置等を組み合わせて、自作の制御プログラムにより、自動で分析できるようになった。
武藤 琴美; 安藤 麻里子; 竹内 絵里奈; 西村 周作; 小嵐 淳; 都築 克紀; 中西 貴宏; 松永 武
KEK Proceedings 2015-4, p.252 - 257, 2015/11
福島第一原子力発電所事故により大気中に放出された放射性Csの多くは森林に沈着し、現在も残留している。本研究では森林から河川への放射性Csの流出挙動を評価するために、北茨城市の森林を集水域とする小河川に放射性Csの連続捕集装置を設置し調査を行った。放射性Csは粒径の異なる懸濁態と溶存態Csに分け、それぞれについて流出挙動を評価した。調査期間は2012年12月から2014年11月である。懸濁物はカートリッジフィルターを用いて捕集し、粒径毎に4種類(2000m以上, 500-2000m, 75-500m, 75m以下)に篩別した。溶存態はCs吸着剤を充填したカラムに通水させ捕集した。フィルター及びカラムの交換は約1ヶ月毎に行い、各試料は乾燥させてGe半導体検出器で線測定を行った。調査の結果、流量の増加が懸濁態・溶存態Csの流出量に影響を与えることが明らかになった。粒径別に見ると、懸濁態全体に対する流出量の割合は粒径75m以下のものが最大だったが、流量が特に多い期間に粒径75-2000mの比較的大きな粒子が増加した。流出量全体では懸濁態の割合が多いが、冬期は溶存態の割合が増加する傾向が見られた。
永岡 美佳; 横山 裕也; 松原 菜摘; 藤田 博喜; 中野 政尚; 渡辺 均
KEK Proceedings 2015-4, p.214 - 218, 2015/11
東京電力福島第一原子力発電所事故により、様々な種類の放射性核種が大気や海洋に放出され、それらは核燃料サイクル工学研究所周辺にも到達した。そのため、海底土中のCs, Cs及びSr濃度の測定を行い、周辺環境における事故影響を調査した。2012年に茨城県北部の地点では、Csが最大濃度296.0Bq/kg・dryであったが、2014年には、39Bq/kg・dryと濃度が減少した。一方、2013年及び2014年に観測されたCs最大濃度においても、茨城県北部で観測された。Srにおいても、原子力発電所事故以前に茨城県沖で過去20年間に観測された値と比較して高い濃度が一部で観測され、原子力発電所事故の影響が認められた。
宮本 ユタカ; 安田 健一郎; 間柄 正明
KEK Proceedings 2015-4, p.44 - 48, 2015/11
環境試料に含まれるピコグラム以下の極微量元素を簡単かつ時間をかけずに化学分離し、外界から目的元素の混入を避けるため、ウラン,トリウム,鉛,希土類元素に加え、プルトニウムも一本の陰イオン交換カラムで逐次的に自動で分離する技術を開発してきた。その結果、トリウムとプルトニウムの溶離液に酢酸を主体とした塩酸、フッ化水素酸との混合溶媒、塩酸と希薄フッ化水素酸の混合溶媒をそれぞれ用いることで目的とする極微量多元素の逐次分離が可能となった。得られた分離条件と開発した全自動システムを使って元素混合溶液を分離したところ、試料溶液注入から6時間15分で、手を加えずに目的の元素を全て分離することに成功した。